「こ」恋をしてみる。【連載:あいうえお 広場ニスト入門】
連載としてスタートしました、「あいうえお 広場ニスト入門」
広場ニストの山下裕子さんが広場ニスト入門について、その心得を紹介していきます。10回目となる今回は、「こ」です。それでは、見てみましょう。
「こ」恋をしてみる。
まちなか広場の日常は、不思議の連続です。
例えば、毎日のように来られる方々は各々マイペースに来られる訳ですが、波長が合う者同士が時にいらっしゃるようで。そのお二人は、毎日のように夕刻に来られ最初の頃は別々に座り何をするわけでもなく大型モニターに映るテレビ番組を眺め、陽が暮れるまで佇み、杖をつきながらゆっくり静かに帰られていました。
数週間後、いつものように男性が座っているのですが様子がおかしい。気がつくと日頃ない缶コーヒが2本テーブルにあり帽子まで被っていらっしゃいます。
これはただ事ではないとしばらく眺めていると、いつものように女性がゆっくりと入って来られ男性が座るテーブルに向いました。
しかもよく見ると、口紅をさしておられます。これまで単なる偶然で顔を合わせていたお二人が、待ち合わせをする。眺めている私までドキドキしたこのエピソードも、私がまちなか広場が大好きになった一つのエピソードです。

放課後、まちなか広場でデートする高校生
次回の予告:「さ」叫んでみる。
「まちなか広場」で叫んでみる。大きなその声は、大地をゆらす。
- この記事を書いた人 山下 裕子
- 広場ニスト、全国まちなか広場研究会・理事 07年富山市まちなか賑わい広場グランドプラザ運営事務所。10年(株)まちづくりとやまグランドプラザ担当。現在、NPO法人GPネットワーク理事、(株)ハイマート久留米にて ひと・ネットワーククリエイター。著書に「にぎわいの場 富山グランドプラザ--稼働率100%の公共空間のつくり方」(学芸出版社)
